美しい唇

パブリックなカルチャー

世界

死ぬまで生きる。

 

生まれてしまった以上はいつか死ぬ。

だから憂うことなく生きなさい。

桜が咲き、そして散っていくように。

ただそれだけが創世主からの信託。

 

ところで、誰がこの世界を始めたのだろう…

何を目的として…

 

時折思い浮かぶ世界観。

ここは誰かが外から観賞することだけを目的に作られた箱庭。

繰り広げられる全ては茶番。

そんな箱庭が何十と無造作に並べられていて、我々が唯一無二と信じて止まない「世界」が実はありふれたもの。

自分が、本当は、シルバニアファミリーの人形のうちの一体に過ぎないのではないかと疑う瞬間がある。

 

私たちは血と涙を流しすぎている。

創世主が見捨てれば終わるこの世界で(創世主様はとっくの昔にお飽きになられていて、別の「飼い主」がこの世界を保っているのかもしれないが)、何を頑張っているのだろう。

本番のつもりで、茶番を繰り広げているに過ぎない。

地球が爆発すれば、我々と我々が何故か必死に紡ぎ上げている物語は粉塵となり宇宙に散るだけなのに。

人々は虚無の中に居ることを認めることができないようで。

認めたところで虚無は虚無だけれども。

 

だから、どうか、邪魔をしないでほしい。

叶えられぬ望みとは知っている。

大人は社会に居なければならない。

でも、それは卑小なルール。

そんなものに打ちのめされて創世主の信託に応えられないとしたら、ちっとも美しくない。

鎖が邪魔をするのならば、千切る。

そしてもし駄目になるようなら、運命を甘受する…